【不動産FPが解説】不動産投資ローンの借り換えで毎月の赤字を解消!メリット・デメリットと審査のポイント

「毎月の収支が赤字で、持ち出しが続いている」「金利上昇のニュースを見て、今のローンが不安になった」「もっと有利な条件の銀行があるのではないか」――。投資用ワンルームマンションを所有している20代から40代の会社員・公務員の方々から、このような切実なご相談をいただく機会が増えています。
不動産投資は、購入して終わりではありません。むしろ、運用が始まってからの「メンテナンス」こそが、将来の資産形成の成否を分ける鍵となります。そのメンテナンスの中でも、もっともインパクトが大きいのが不動産投資ローンの借り換えです。
本記事では、不動産専門のFPとしての知見を活かし、借り換えによる収支改善のメカニズムから、銀行がチェックする審査の裏側、そして見落としがちな諸費用の落とし穴までを1万文字を超えるボリュームで徹底解説します。この記事を最後まで読めば、あなたが今、不動産投資ローンの借り換えを行うべきかどうかの明確な判断基準が手に入るはずです。
この記事を読むと分かること
- 不動産投資ローンの借り換えによる月々のキャッシュフロー改善の具体例
- 借り換えを成功させるために必要な属性条件と物件評価の基準
- 金利優遇を受けるための銀行交渉のテクニックと注意点
- 諸費用を含めたトータルコストで損をしないためのシミュレーション方法
- 不動産専門のFPが教える、借り換え後の出口戦略とリスク管理
不動産投資ローンの借り換えを検討するメリットとデメリットを不動産専門のFPが徹底比較

不動産投資ローンの借り換えは、単に金利を低くするだけの手続きではありません。現状の負債を整理し、投資効率を再定義する重要なプロセスです。まずは、借り換えがもたらすポジティブな側面と、無視できないネガティブな側面を客観的に比較してみましょう。
月々の返済額軽減によるキャッシュフローの劇的な改善
不動産投資ローンの借り換えを行う最大のメリットは、何といっても月々の返済額を抑え、キャッシュフロー(手残り)を改善できる点にあります。例えば、金利3.5%で3,000万円のローンを組んでいる場合、金利を1.5%〜2.0%程度まで下げることができれば、月々の返済額は数万円単位で変わります。
多くのワンルームマンション投資家が「月々1万円〜2万円の赤字」という状態に陥っていますが、これは家賃収入が低いのではなく、ローンの金利負担が重すぎることに起因しているケースが少なくありません。返済比率を改善することで、赤字を解消し、将来の修繕積立金の増額や空室リスクへの備えに資金を回せるようになります。
総支払利息の削減と完済時期のコントロール
金利を低く抑えることは、月々の収支だけでなく、ローンの全期間を通して支払う「総利息額」の削減に直結します。不動産投資は長期戦です。わずか1%の金利差であっても、30年という期間で見れば数百万円の差が生じます。
また、借り換えのタイミングで残りの期間を調整することも可能です。定年退職までに完済したい、あるいは逆に期間を延ばして目先のキャッシュフローを最大化したいなど、自身のライフプランに合わせて投資の設計図を引き直せるのが不動産投資ローンの借り換えの強みです。
借り換えに伴う諸費用と事務手数料の負担
一方で、デメリットとして挙げられるのが、借り換えに伴う「初期費用」です。新しい銀行での事務手数料、保証料、抵当権設定のための登録免許税、司法書士への報酬などがかかります。これらは一般的に、借入金額の2%〜5%程度(事務手数料(定率型なら2.2%など)+登記費用+(商品によっては)保証料)と言われており、数百万円単位の現金が必要になる場合や、ローンに組み込むことで借入総額が増えてしまう場合があります。
不動産専門のFPとしては、「金利が下がったから得だ」と安易に判断するのではなく、これらの諸費用を回収するのに何年かかるかという視点を持つことを強くおすすめします。
団体信用生命保険の再加入に伴う健康状態のリスク
意外と見落とされがちなのが、団体信用生命保険(団信)の再加入です。不動産投資ローンの借り換えを行う際、新しい銀行が指定する団信に再度加入し直す必要があります。
初回の購入時から数年が経過しており、その間に健康診断で指摘を受けたり、持病を抱えたりしている場合、団信の審査に落ちてしまう可能性があります。団信に加入できないことは、事実上、借り換えが不可能になることを意味します。現在の健康状態を考慮し、保障内容の変更(ワイド団信の活用など)も視野に入れる必要があります。
不動産投資ローンの借り換えにおける銀行の審査基準と最適なタイミング

借り換えを希望しても、すべての人が審査を通過できるわけではありません。銀行は「物件の価値」と「個人の信用力」の2点を、新規購入時よりも厳しくチェックする傾向があります。どのような基準で判断されるのか、その裏側を深掘りします。
債務者の属性:年収・勤続年数・他借入の状況
借り換え審査において、銀行が最初に見るのは「属性」です。特に、2020年以降の銀行融資姿勢は厳格化しており、年収500万円以上、できれば700万円以上あることが、有利な条件を引き出す一つの目安となっています。
また、勤続年数も重要視されます。転職直後などは「収入の安定性」に欠けると判断され、審査が不利になることがあります。さらに、カードローンや車のローン、マイホームの住宅ローンなど、既存の負債とのバランス(返済比率)が厳密に計算されます。不動産専門のFPとしてアドバイスさせていただく際は、まずこの負債の棚卸しから始めます。
物件の担保評価:収益性と立地の再評価
新規購入時は不動産会社提携のローンが適用され、物件評価が甘めに出ていることがありますが、借り換え時は銀行独自の厳しい査定が行われます。
「現在の家賃設定は相場と乖離していないか」「将来的に空室が続くリスクはないか」といった収益還元価値が見られます。特に築年数が経過した物件や、郊外の物件の場合、銀行の評価額がローンの残債を下回る「オーバーローン」の状態になっていることが多く、その差額を自己資金で埋めなければ借り換えができないケースもあります。
借り換えを検討すべき「金利差」と「残債」の目安
一般的に、借り換えを検討する目安として以下の「3つの基準」がよく語られます。
| 項目 | 目安となる基準 |
|---|---|
| 金利差 | 現在の金利と借り換え後の金利の差が1%以上 |
| ローン残債 | 1,000万円以上(諸費用を吸収するため) |
| 返済期間 | 残り10年以上 |
しかし、最近では金利差が0.5%程度であっても、残債が2,000万円を超えている場合は大きなメリットが出るケースもあります。市場金利が変動する兆しを見せている今、タイミングを逃さないことが重要です。
日本銀行の金融政策決定会合と金利動向の注視
不動産投資ローンの借り換え時期を見極める上で、外部環境の把握は欠かせません。日本銀行がマイナス金利政策を解除し、金利のある世界へと舵を切った今、固定金利は先行して上昇し、変動金利も追随する可能性があります。
「金利が上がってから考えればいい」では遅いのです。銀行は金利上昇局面では審査を慎重にし、貸出条件を厳しくする傾向があるため、比較的低金利が維持されており、銀行間での競争が激しい今のうちに動くのが定石と言えます。
不動産投資ローンの借り換えで選ぶべき金利タイプと発生する諸費用の内訳

「変動金利」か「固定金利」か。これは不動産投資家にとって永遠のテーマですが、借り換えにおいては、ご自身のキャッシュフローの許容度と、その物件をいつまで保有する予定かという「出口戦略」から逆算して選ぶ必要があります。
変動金利の選択:リスクとリターンのバランス
現在、借り換え先の主流は依然として変動金利です。ネット銀行や一部の地方銀行では、1%台前半が出ることもあります。(ただし条件はかなり厳しい)
変動金利のメリットは、何といっても目先の返済額を最小化できることです。しかし、将来的な金利上昇局面では、返済額が増加するリスクを負います。不動産専門のFPの見解としては、変動金利を選ぶのであれば、金利が上昇した際に「繰り上げ返済」ができる余剰資金を確保しておくことが前提となります。
固定金利の選択:収支の安定性と事業計画の確実性
一方で、全期間固定金利や10年固定金利などを選ぶメリットは、「収支が確定する」ことです。金利変動に一喜一憂することなく、長期的な賃貸経営の計画を立てることができます。
特に、将来的に自分自身で住む予定がない投資用物件において、金利上昇による赤字の拡大は致命的なダメージになりかねません。利回りがそれほど高くない物件を保有している場合、固定金利でリスクをヘッジするという選択肢は非常に合理的です。
借り換えに伴う「目に見えないコスト」の詳細
金利の低さに目を奪われがちですが、不動産投資ローンの借り換えには以下の諸費用が発生します。
- 融資事務手数料:融資額の1.1%〜2.2%(税込)程度
- 保証料:一括払いまたは金利上乗せ。ネット銀行では無料のケースも多い。
- 印紙代:金銭消費貸借契約書に貼付するもの。数万円程度。
- 登録免許税:抵当権の設定および抹消にかかる税金。
- 司法書士報酬:登記手続きの代行費用。5万円〜10万円程度。
- 繰り上げ返済手数料:現在契約中の銀行に支払う違約金。数万円〜数十万円。
これらのコストを合算すると、3,000万円の融資であれば100万円近い費用がかかることもあります。これを自己資金で出すのか、オーバーローンで組み込むのかによって、実質の利回りは大きく変わります。
全疾病保障などの付帯サービスの比較
最近のローン商品には、がん診断時に残債がゼロになる「がん保障」や、特定の病気になった際に返済が免除される「全疾病保障」が付帯しているものがあります。借り換えによって、金利を下げるだけでなく、これらの保障を充実させることができるのも隠れたメリットです。
特に単身の会社員の方にとって、不動産は「もしもの時の保険」としての機能も持っています。金利が多少高くても、保障内容が手厚い銀行を選ぶことで、生命保険料の節約に繋がるケースもあります。
不動産投資ローンの借り換えによる収支改善シミュレーションとキャッシュフローの最大化

言葉だけでは伝わりにくい、具体的な効果を数値で見ていきましょう。ここでは、よくある「区分マンション投資」の事例を用いて、借り換え前後の収支の変化を再現します。
事例1:高金利の提携ローンから低金利のネット銀行への借り換え
以下の条件で運用している会社員のAさん(35歳)のケースを想定します。
| 項目 | 借り換え前(現状) | 借り換え後 |
|---|---|---|
| ローン残債 | 2,500万円 | 2,500万円(諸費用別) |
| 残り期間 | 30年 | 30年 |
| 適用金利 | 3.5%(変動) | 1.6%(変動) |
| 月々の返済額 | 112,261円 | 87,422円 |
| 月々の改善額 | – | 24,839円 |
月々約2.5万円の改善です。年間に換算すると約30万円の手残り増となります。当初、家賃収入だけでは管理費や修繕積立金を払うと毎月1.5万円の持ち出しが発生していたAさんですが、借り換えによって「月々1万円のプラス」へと転換しました。
自己資金(キャッシュ)を投入して借入額を減らす戦略
借り換えの際、余剰資金がある場合は「一部繰り上げ返済」を同時に行うことが非常に有効です。借入金額を減らすことで、新しい銀行の担保評価(LTV:融資比率)が良くなり、より低い金利を提示してもらえる可能性が高まります。
また、不動産所得の計算において、利息部分は経費になりますが、元本返済分は経費になりません。金利が低くなると、経費として計上できる額が減り、その分所得税が増えるという「デッドクロス」の懸念もありますが、キャッシュフローの改善を優先すべきフェーズ(特に20代〜40代の資産形成期)では、まずは返済額を減らすことが先決です。
管理費・修繕積立金の上昇リスクへの備え
ワンルームマンション投資において、管理費や修繕積立金は将来必ず上昇します。借り換えで浮いた資金をそのまま娯楽に使うのではなく、将来のコスト増に備えてプールしておくことが、不動産専門のFPとしての推奨する「負けない不動産投資」です。
収支に余裕ができれば、一時的な空室が発生しても慌てて家賃を下げる必要がなくなります。「余裕」が「賢い選択」を生み、それがさらなる資産拡大に繋がるのです。
不動産投資ローンの借り換えを成功させるための具体的な流れと注意すべき落とし穴

実際に借り換えを進めるには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。また、プロの視点から見て、投資家が陥りがちな罠についても解説します。
ステップ1:現在のローン条件の再確認と書類の整理
まずは、手元にある返済予定表や金銭消費貸借契約書を確認しましょう。現在の正確な残債、金利、残り期間、そして「繰り上げ返済時の違約金」がいくらかかるのかを把握することが第一歩です。
銀行への相談時には、源泉徴収票(直近1年が多い)、確定申告書(個人事業主・法人代表は2〜3期分を求められやすい)、物件の登記簿謄本、賃貸借契約書、管理規約など膨大な書類が必要になります。これらを早期に揃えられる投資家は、銀行からの信頼も厚くなります。
ステップ2:複数行への打診と比較検討
一つの銀行に相談して断られたからといって、諦める必要はありません。銀行によって、その時期に「投資用ローンに積極的か」という姿勢は大きく異なります。
メガバンク、地方銀行、信用金庫、そしてネット銀行。それぞれの特徴を理解し、自分の属性や物件に合った銀行を選ぶ必要があります。不動産専門のFPにご相談いただければ、提携している金融機関の中から、あなたの条件に最適な窓口をご紹介することも可能です。
要注意:売却損(譲渡損失)と税務上の注意点
不動産投資を継続するか、あるいは損切りして売却するかを悩んでいる方もいるでしょう。ここで重要な税務上のルールがあります。
投資用不動産を売却して損失が出た場合(譲渡損失)、その損失は給与所得などの他の所得と損益通算することはできず、翌年以降への繰越控除も認められません。つまり、売って損失を確定させるくらいであれば、借り換えによって収支を改善し、長期保有によってインカムゲインを積み上げる方が合理的なケースが多いのです。
税制上の取り扱いについては、国税庁のサイト等で最新の情報を確認しておくことをおすすめします。
国税庁:不動産所得の計算(外部サイト)
不動産投資ローンの借り換えにおける「既存銀行との交渉」の可否
「他行へ借り換える」と伝えることで、今の銀行が金利を引き下げてくれる「金利交渉」は可能かという質問をよく受けます。
結論から言えば、交渉は可能ですが、成功率はそれほど高くありません。特にオリックス銀行やソニー銀行などのようにパッケージ化されたローンの場合、個別の金利交渉には応じないスタンスを取っていることが多いです。しかし、地銀などの場合は、他行の具体的な見積もり(エビデンス)を提示することで、借り換えを引き止めるために条件を緩和してくれるケースもあります。いずれにせよ、不動産投資ローンの借り換えの準備を整えてから臨むのが鉄則です。
まとめ:不動産投資ローンの借り換えで将来の不安を解消し健全な資産運用を実現する方法

ここまで、不動産投資ローンの借り換えに関するメリット、デメリット、審査基準、そして具体的なシミュレーションについて詳しく解説してきました。
不動産投資は「一度始めたら変えられないもの」ではありません。むしろ、市場環境や自分自身のライフステージの変化に合わせて、常に最適な形へとアップデートしていくべき事業です。
毎月の手残り(キャッシュフロー)が増えることは、単にお金が増えるというだけでなく、「精神的な余裕」をもたらします。その余裕が、将来の結婚資金、マイホーム購入、あるいはお子様の教育資金といった、人生の重要な決断を支える土台となります。
しかし、借り換えには多額の諸費用がかかり、銀行選びや手続きも非常に複雑です。自分一人で判断して、「結局、諸費用の方が高くついてしまった」「もっと良い条件の銀行があったのに」と後悔するのは避けていただきたい。
もしあなたが今、ご自身のローンの金利が高いと感じているなら、あるいは将来の収支に少しでも不安を抱いているなら、ぜひ一度、客観的な立場である不動産専門のFPに相談してみてください。
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